Samhain~From the United Kingdom
2026.10.08
Samhainと書いてサウィンと呼びます。イギリスでははるか昔は11月1日が新年でした。10月31日の日没でその年が終わります。年の終わりは収穫が終ろうとする季節。だんだんと夜が長くなるのを実感する頃です。
サウィンはゲール語のお祭りで、「暗い半分」の始まりをお祝いしたのが始まりでした。暗くなっていく季節にお祝いするなんて、少し不思議な気もしますが、気持ちを高揚させるためのものだったようです。サウィンのお祭りでは特別な焚火を起こし、その火は人々を守り、浄化してくれる力を持っていると人々は信じています。10月31日の夜、あちらの世界とこちらの世界の境界が曖昧になり、行き来ができるようになり、死者たちのための食事もテーブルに並べられました。
10月31日から11月1日、異界との接触。それって今のハロウィンではありませんか。キリスト教では11月1日を万聖節とし、その前夜をイギリスやアイルランドではハローイブと呼んでいました。そのハローイブが転訛してハロウィンとなった説もあるようです。10月末から12月の冬至までイギリスの日照時間は次第に短くなっていきます。そんな暗い季節に楽しいイベントやお祭りを行い、晴れやかな気持ちになるよう鼓舞したのでしょう。
朝の8時から午後の4時前までしか日照のないイギリスの冬至の頃。そんな暗い季節にクリスマスが設定されたと言われています。イエス・キリストの誕生日って実は12月25日ではないそうです。4世紀頃に12月25日のクリスマスが提唱されます。暗い季節を光でいっぱいにし、明るく過ごせるように考えられた後人の知恵がクリスマス。クリスマスには光と雪と、サンタクロースとトナカイのそり。それはイエス・キリストが誕生したベツレヘムとは、実は光以外無関係の世界でした。
というわけで新年を11月1日に祝うサウィンのお祭りもその前哨戦で、やがてそれがハロウィンへとつながっていきます。アメリカではカボチャ大王の話になり、カボチャをくり抜きろうそくを灯すようになりましたが、イギリスではカボチャではなくてそれはカブでした。カブをくり抜いてよい精霊を呼び寄せ、悪霊を追い払っていたそうです。ところ変われば野菜も変わるというわけです。
アメリカから秋の一大イベントとなったハロウィン。でもそれはイギリスやアイルランドからアメリカに渡っていった人々がつなげたお祭りでした。だんだんと暗くなる季節。そんな季節に考えられたお祭りがハロウィンとクリスマスだったようです。

