Spencer House~From the United Kingdom

2024.04.14

英国コラム

この邸宅は18世紀中期に、スペンサー伯爵のロンドンの屋敷として建てられました。スペンサー伯爵と言えば、そう、英国元皇太子妃、ダイアナ妃のご実家です。元々貴族の方々は、ご自分の所有される広大な土地に家を所有していますので、ロンドンの屋敷は夏の社交シーズンにだけ使うタウンハウス。市内なので貴族にとっては手狭な土地に建てられ、3階以上の建物が多いようです。

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スペンサー・ハウスはロンドンの社交場として、大広間には100人ものゲストを招くことができたそうです。王族はもちろん、貴族、政治家、今をときめく文化人たちがこの邸宅を訪れ、交流を深めました。現存する個人の邸宅として、イギリスの指定建造物になっています。ダイアナ妃のご実家、ダウントン・アビーのロケ地の隣家となれば、イギリス好きにとって一度は訪れたい場所です。

実はセント・ジェームス・パレスから、スペンサー・ハウスを探していたのですが、その日は見つからず、旅の最終日にもう一度向かってみました。白亜の建物はどれだかわかりません。デュークス・ホテルを越え、セント・ジェームス・プレイスの小道を進むと、あら、公園に続くアンダーパス(イギリスではサブウェイ)らしき小道が見えます。人々が行き来しているので、安心してくぐり抜けると、グリーン・パークに出る近道でした。

そこからは白亜の堂々たるその姿、スペンサー・ハウスを正面から見ることができました。イタリアのパラディオ様式を改造させ、今の屋敷に姿になったスペンサー・ハウス。左右対称で、ローマ風の作りはグリーン・パークからもよく映えます。お天気のよい初夏の夕暮れ。まだまだ空は暮れる気配はありませんが、スペンサー・ハウスの白亜と青い空が印象的でした。