Milk~From the United Kingdom

2022.05.18

異文化理解

前回のロンドン滞在で、ミルクの味が薄いと感じてしまいました。いや、これがイギリスのミルクの味だったと、少ししてから思い出しました。そう、このミルクがイギリスのもの。日本の牛乳に慣れてしまい、イギリスのミルクを忘れてしまっていました。

  • Milk~From the United Kingdom

イギリスのミルクは低温殺菌。日本の牛乳は超高温殺菌法で、これは本来のミルクの味ではなく、加工がされていたのです。イギリスは酪農国で、イギリス国民はミルクが大好き。紅茶のためのミルクは必ず常備しているほどです。そしてミルクには時折、乳脂肪も浮かんできます。日本のものはそうならないためのホモ牛乳。小学校の給食でホモ牛乳と書かれていて、えっ何と思った方も多いかもしれません。これは乳脂肪を、ホモジナイザー(均質化)しているという意味だったのです。日本の牛乳は乳脂肪を細かく砕いて、浮き出さないように作られていたました。イギリスのミルクに時折浮かんでくる乳脂肪は、紅茶や珈琲を、また格別の味にしてくれます。脂肪が別になっているから、ミルクの味が最初に薄いと感じてしまったようです。イギリスのミルクは加工されていない、自然な味でした。

19世紀のヴィクトリア時代は、飲むより製品化されていたミルク。食事の大概はバターやチーズを使っていたので、飲むより加工品にされていました。実は当時のミルクは水で薄められていて、加熱しないと口にできない代物だったようです。フレッシュミルクとして、飲めるようになったのが1870年の終わり、それでも殺菌はなかなかうまくいかず、冷蔵庫の普及を待たなければなりません。ちなみに今ほとんどない牛乳配達ですが、イギリスで配達され始めたのは1930年以降のこと。一般家庭には冷蔵庫はなく、1日の飲みきり分を配達する画期的なシステムでした。

紅茶人気の高いイギリスでは、ほとんどの人がミルクを入れているそうです。ミルクが先か紅茶が先か、論争もありましたが、美味しいならそれぞれでよいようです。カップ&ソーサーで紅茶をいただくのは、貴族か観光客。イギリスの人たちはマグカップでなみなみと紅茶を淹れて楽しみます。