マーガレット王女(Princess Margaret)とは?禁断の恋と波乱に満ちた生涯

2021.12.05

英国コラム
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  • マーガレット王女(Princess Margaret)とは?禁断の恋と波乱に満ちた生

イギリス王室のエリザベス女王の妹君、マーガレット王女。エリザベス10才、マーガレット6才の時に伯父のエドワード8世が退位し、その将来が大きく変わることとなりました。マーガレット王女は姉のエリザベス女王と違って、やがて奔放な生活を送ります。妻子あるピーター・タウンゼントとの恋、それが若き日のマーガレット王女のスキャンダルとなりました。大輪の美しい花、マーガレット王女のそのお姿はいつもそうでした。

マーガレット王女とピーター・タウンゼントの出会い

なぜピーター・タウンゼントに、マーガレット王女は魅かれていったのでしょう。10代でマーガレットはピーターと出会いました。恋に落ちたのは、国王ジョージ6世が亡くなった後とも言われています。父君が亡くなり、父に一番近いところにいたピーターの存在。それが恋につながったのでしょうか。

王室に阻まれた結婚の夢

やがてピーターは離婚。マーガレットはピーターとの結婚を望みます。25歳になれば結婚の自由が得られると思っていたマーガレット。しかし、英国国教会は王族の離婚経験者との結婚を認めない判断を下します。エリザベス女王も妹のための結婚を許すことはしませんでした。エリザベス女王も王室としての義務を優先したのです。

スノードン伯爵との結婚と破局

1960年、マーガレットとピーターはそれぞれ別の相手と結婚します。ピーターは歳の離れたマーガレット似の若い女性と、マーガレットはその話を聞いてから、写真家のアンソニー・アームストロング=ジョーンズとの結婚に応じます。しかしスノードン伯爵となった夫との結婚は、1978年には終止符が打たれました。マーガレットはその後も自由奔放に生き、艶やかなその姿と共に煙草やお酒を手放すことはありませんでした。

マーガレット王女とエリザベス女王の姉妹関係

姉を女王に持ったその苦悩もあったことでしょう。結婚を認めてくれなかった姉へのわだかまりは残ったのかもしれません。女王としての責務を背負ったエリザベス女王と、自由を求めるしかなかったマーガレット王女。対照的な二人の人生は、英国王室の光と影を象徴するものでした。

晩年と死、そして母との絆

2002年2月9日、病のため71才でマーガレット王女は薨去されます。母君のエリザベス皇太后は、王女の死に嘆き悲しみ、2か月後の同じ9日に後を追うように崩御されました。クィーンマムはエリザベス女王ではなく、マーガレットのそばにいることを選んだかのようです。心配をかける娘ほど、母親にとってはかわいいもの。自由に生きた大輪の花マーガレットは、ウィンザー城のセントジョージ・チャペルで父ジョージ6世と母エリザベス皇太后とともに静かに眠っています。

マーガレット王女が愛された理由

マーガレット王女は奔放でありながらも、人々を惹きつける魅力を持ち続けました。歌やダンス、芸術を愛し、社交の場で輝くその姿は多くの人々の記憶に残っています。彼女の存在は「義務を超えて生きる王族」の象徴とも言え、自由を望む現代人の共感を呼ぶのです。

まとめ

マーガレット王女(Princess Margaret)の人生は、王室の義務と個人の自由のはざまで揺れ動いたものでした。許されなかった恋、波乱に満ちた結婚生活、そして姉エリザベス女王との関係。彼女の生涯は決して平坦ではありませんでしたが、その自由奔放な姿は今も「英国王室のもう一つの物語」として人々の心に残っています。