文法は味方 4つの技能を高めるために

2020.05.01

勉強法

「文法ではなく会話のレッスンを希望します」そうおっしゃる生徒さんが時たまいらっしゃいます。「英語は好きだけど文法は嫌い」気持ちはわかりますが、ちょっと待ってください。文法は言葉の取り扱い説明書、上手に味方につければ効果的に英語力を伸ばすことができます。

さて、みなさんは「文法」にどんなイメージをお持ちですか?つまらない、難しい、ややこしい、覚えられない…そんな声が聞こえてきそうです。主語、述語、補語、直接目的語、間接目的語、現在完了形、分詞構文,仮定法etc. 中学、高校の英語の授業には聞きなれない文法用語がたくさん登場しました。それぞれの意味と使い方を覚えるだけでも大変なことです。文法が難しいのではなく、文法用語が難しく感じるのではないでしょうか。

  • ネイティブのするこんな言い方
  • 文法は味方 4つの技能を高めるために



日本語も英語も、全ての言語はそれぞれ独自の言語体系を持っています。文を作るときの規則と考えても良いでしょう。この規則に沿っているからこそ、お互いの意思を伝えたり、理解したりすることができるのです。例を挙げてみましょう。

Tom is a student.
Is Tom a student?

この二つの文の違いはおわかりですね。Tomとisの順番が入れ替わることで、Is Tom a student?は「トムは学生ですか?」という質問になります。「主語とbe動詞をひっくり返すと疑問文になる」このルールを共通理解していないと会話が成り立ちません。逆に、自分が何か質問したい時には、このルールを使って疑問文を作ることもできます。文法がなかったらすべての文のパターンを覚えなければなりません。「応用ができる」これが文法を学ぶ最大のメリットです。

一方、文法的に間違った文は相手に伝わりにくく、時に致命的な誤解を招く恐れがあります。意味を伝えるために間違えてはならないものの例を上げてみます。
次の二つの文を比べてみてください。

Mary loves Richard.
Richard loves Mary.

相思相愛の二人なら、語順を入れ替えても何の問題もありませんが、Maryの片思いだったらどうでしょう。Mary「が」愛しているのか、Mary「を」愛しているのかで意味が変わってしまいます。語順のルールは英語学習者が必ず守らなければならない文法の一つです。

私たち日本語ネイティブは、日本語の文法は説明できなくても、日本語を話すことができます。学習経験がなくても日本語が話せるのは、私たちが小さい頃から日本語を浴び続けて、日本語の持つ言葉のパターンを知らず知らずに身に着け、それを使いこなしているからです。しかし、英語学習者自身が英語を分析し、規則性や仕組みを理解するには膨大な量の言葉と時間が必要です。冒頭に「文法は言葉の取り扱い説明書である」と書きました。取り扱い説明書=文法に沿うことでトライ&エラーを繰り返さなくても正しい英文を作ることがきるのです。長い年月をかけて研究され、磨きをかけられた「文法」は学習者にとって大変心強い味方なのではないでしょうか。

最後にお伝えしたいのは、文法知識があることと使いこなせることは、別だということです。私たちが日本語を話すとき「格助詞はこれを使って、形容詞はここではこう活用して・・・」などと考えながら話していませんね。意識しなくてもルールに則って文章を組み立てられるようになることが最終的な目的です。どんなに詳しく水泳の理論を学んでも、実際に水に入らなければ泳げるようになりません。新しい文法事項を学習したら、それを使ってたくさんの文を作って使ってみましょう。

文法は、listening, speaking, reading, writingの4つのスキルの土台になるものです。しっかりした土台がなければ高い建物を築くことはできません。学習者にとって、言語を分析し理解しやすくするために作られた文法は、大変役に立つものです。文法を味方につけて英語力の向上を目指しましょう。