National Portrait Gallery~From the United Kingdom

2020.03.10

英国コラム
  • National Portrait Gallery

ロンドンの美術館には肖像だけのものもあるんです。 それがNational Portrait Gallery。

  • National Portrait Gallery



ロンドンのトラファルガー・スクエアにはナショナル・ギャラリーが鎮座していますが、実はこの裏にまさに英国らしいギャラリーがあるのです。その名がNational Portrait Gallery。肖像画までも収集してしまう、英国のコレクター気質がわかります。歴史上の人物たちの絵画だけではなく、写真や彫刻までも所蔵しています。英国のアイコンになる人物像、エリザベス1世、シェークスピアから、「風と共に去りぬ」のヴィヴィアン・リー、オードリー・ヘップバーンの女優たちの姿も見ることができます。

19世紀のラファエル前派の画家、ダンテ・ガブリエル・ロセッティと妻との日常を描いた画を見つけました。まだ結婚前の2人の姿。妻はミレイの画の「オフィーリア」で、川に流れていく姿で有名になったリジーです。デッサンなのでモノクロですが、淡いランプの光の中がわかります。その光のなかの2人の瞬間を垣間見ているようです。椅子に座って、ロセッティは妻の画のモデルをしています。「顔をよく見せてください」というような表情の妻に対して、ロセッティは引き気味の体勢で、モデルを拒んでいるようにも見えます。1853年の文字は2人が出会って間もなくの頃。2人にとって一番楽しい時間だったのでしょう。画が描かれた9年後リジーはこの世を去ります。この一瞬が2人の幸せな肖像画になったようです。