第37回 Animal Lovers
イギリス人は、世界でも有名な動物好き。半分以上の家庭でペットを飼っているといいます。やっぱり人気は犬と猫で、猫は770万匹、犬は660万匹の登録があるそうです。その他にも、セキセイインコ、金魚や熱帯魚、変わりどころでヘビやクモを飼っている人もいます。
英国では、自然環境と同様に動物を愛護する精神も古くから育まれ、「自然と動物を愛し、守るのはイギリス国民の義務!」と言わんばかりに、様々な活動を続けている団体がたくさんあります。RSPCA(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals=英国動物愛護協会)、PDSA(People’s Dispensary for Sick Animals=動物施療会)、BLUE CROSS(Animal Welfare Society=動物福祉協会)などは主として寄付金のみで運営している団体ですが、活動は多岐に渡り、その影響力は大変なものです。
例えば、“Rehome”のシステム。日本でリフォームと言えば家の改修工事ですが、これは和製英語で、英国で“Rehome”は動物の「里親探し」を意味します。RSPCAでは施設を整え、やむをえない事情でペットを手放さなければならない家庭から預かり、新たな飼い主を探します。探すと言っても新たな飼い主たちが自ら施設にやって来るのがイギリス人らしいところ。英国は動物病院や犬猫用の美容室の数に比べて、ペットショップの数は非常に少なく、新たなペットは、一匹でもかわいそうな動物を救おう、家族に迎えよう、という精神が根付いているようです。現在、飼われている犬猫の30?40%がこの施設から引き取られたというのですから、相当な数ですよね。
また、これらのチャリティ団体が動物病院も運営していて、所得の低い家庭のペットは無料で受診できます。診察費用は古着や中古品を売るチャリティ・ショップ(日本のリサイクル・ショップ)の売上金が充てられているので、チャリティ・ショップで買い物をしたり、物品を寄付したりする時点で、すでに市民は動物愛護に関わっているわけです。もちろん、一般の獣医さんが開業した動物病院もあり、こちらでは診察費用がかかりますが、英国にはたくさんのペット保険があるので、ほとんどの診療費は保険でカバーされます。
動物のために、これほど手厚い福祉制度のある英国ですが、悲しいことに近年では動物虐待のニュースも多々聞かれます。動物愛護の精神が他国と比べものにならないほどに高い国だからこそ、飼い主への要求は厳しくなり、しつけやトレーニングなど負担は大きくなるようです。本人はしつけのつもりでも、客観的に見ると虐待という事例も多く、そんなときに出動するのがRSPCAのAnimal Police。飼い主を摘発、指導し、必要であれば動物をリフォーム施設へ引き取ります。
日本も世界では有数のペット大国ですが、英国の法律や設備にはまだまだ追いつけません。まずは国民一人ひとりが自然や動物を愛し守る、その精神から見習いたいものです。




