第29回 ロンドンに積もる雪
あけましておめでとうございます。東京の三が日は寒かったですが、お天気が良くて初詣日和が続きましたね。神社やお寺で、冷たくなった手を合わせて願う人々、おみくじを引いて一喜一憂する人々、お守りや破魔矢を手にのんびり帰り道をゆく人々、そんな日本らしい風景を太陽が照らしていました。
さて、日本の皆さんがお正月を楽しんでいたころ、イギリスには大寒波が到来!あまり雪の降ることがないロンドンでも、真っ赤な公衆電話ボックスやロンドンバスが白く覆われ銀世界が広がりました。寒波は年を越しても衰えることなく、1月の第二週に入った今も雪の被害が英国各地で広がっているようです。このまま続けば、“UK faces coldest winter in 30 years.”(英国は30年来の寒い冬に直面する)と天気予報が伝えていました。
地図で見ると北海道よりも高緯度にある英国。ロンドンの冬も確かに寒く、キンと冷たい空気が張り詰めます。12月から2月にかけての月別の平均最低気温はマイナス3℃。最高気温は7℃です。日本の東北地方と同じぐらいでしょうか。しかし、日本の東北地方や北海道が雪一色となるのに比べて、英国はメキシコ湾から運ばれてくる暖流のおかげで、他の同緯度の地域に比べて温暖なので、ほとんど雪は降りません。
そんな英国ですから、たまの寒波は一騒動。まず、路面が凍結して高速道路が通行止めになり、路線バスが止まり、電車が止まり、滑走路の凍結で飛行機がキャンセルになり、交通網があっという間に麻痺してしまいます。2?3日なら会社も学校もお休みになり、外出を控えれば事が収まるのですが、今回のような2?3週間も続く大寒波のうえに大雪となると、そうはいきません。去る見通しの立たない寒波の中、庶民は対策に乗り出しています。英国ガーディアン紙のネット版(1月6日付)には、“Shoppers stock up with salt, soup and shovels to cope with snow.”(買い物客は雪に立ち向かうために、塩、スープ、シャベルを買いだめ)なんて見出しがありました。スープは引きこもった家で温まるため、シャベルは雪かき、では塩は? 実は[salt]と言っても食用塩ではなく、[dishwasher salt](食洗機用の洗剤)で、同様の使用目的で[cat litter](猫のトイレ用の砂利)も売れに売れているのだとか。これは、道路の凍結を防ぐために撒く砂利の代用にするのだそうです。
この他にも、ウールやカシミア製の靴下やタイツなどの防寒着、お風呂の入浴剤やアロマキャンドルなども売上げを伸ばしているそうです。雪景色を眺めながら、おうちでリラックスもいいですが、慣れない大雪で事故や怪我も相次いでいるようですから、遠い日本の地から早く寒波が去ることを祈るばかりです。




